兵士たち、木版画と版木、60×25cm、二連作、2019年


<「Katas」、木版画、ミクストメディア, ビデオ, インスタレーション, 240×175cm>
写真家: B. Janeck

<「Katas I」、 パフォーマンスのビデオ, 2017/2018>↵↵
写真家: B. Janeck

<「Katas I」、 パフォーマンスのビデオ, 2017/2018>

<「Katas II」、 パフォーマンスのビデオ, /2018>
「型(カタ)」は、武道家のグループによるパフォーマンスです。アナウンスの後、彼らは武道の型を披露します。演者たちの白い袴には、映画の映像が投影されます。その映像には、さまざまな現代の軍事衝突とその結果を描いた木版画が映し出されます。
合気道の修練と、衣服に映し出される戦争の映像は、強烈な対比を成しています。この対比には意図がありますが、それによって明確な結論や答えが導き出されるわけではありません。むしろ、それは「戦い」「自己防衛」「戦争」といったテーマとの精神的・哲学的な対話を目的としています。
合気道は、相手を打ち破ることを目的としない武道として生まれました。長年にわたる稽古を通じて、合気道の修行者は外からの攻撃や内なる葛藤への対処法を身につけていきます。
私たちは戦争のない環境に暮らしているかもしれませんが、日々、武力衝突や世界的な紛争の映像にさらされています。それらは、合気道家の衣に映る映像のように、表面上は平和な日常の中にも存在しているのです。にもかかわらず、私たちの日常的な行動にはほとんど影響を与えません。
戦争においては、敵の殲滅が容認されるだけでなく、可能な限り相手を弱体化させることが目的とされます。現代の戦争は、人類全体を滅ぼしかねない大量破壊兵器を備えています。敵を「打ち負かす」ことは、もはや不条理でしかありません。戦争によって自らの利益を実現しようとする行為は、自己破壊と、戦争の原因(価値観、国家、資源)の破壊を招くリスクをはらんでいます。
脅威が螺旋のように絶望へと向かうなかでも、経済的・領土的な理由によって危険なエスカレーションが続けられることが多いのです。

「Katas II」、
混合メディア、ビデオ、インストール